こんな疑問を解決!
- チャートはどうやって読めばいいの?
- テクニカル分析の種類は何がいい?
- チャート分析で投資をする手法は?
投資をする上で欠かせないツールが過去の株価推移を示した「チャート」です。
チャートを分析することで、今の相場状況や今後の値動きを予想することができます。
今回の記事では、株初心者の方向けに、チャートの読み方や基本的なテクニカル分析について解説をします。
チャートを分析して勝率を上げていきましょう。

鈴木 拓也
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
- 東京工業大学大学院修士課程修了(工学修士)
- 株式会社三井住友銀行に就職(2012年)、新宿西口法人営業部を経て、本店・市場営業部門に異動。為替ディーラー業務を担当し、香港支店に2年半勤務
- 株式会社フィンテラス代表取締役(2018年~)
Contents
株価チャートとローソク足の読み方
チャートとは過去の株価の推移をグラフ化したもので、「現在のトレンド(流れ)状況」や「将来の値動き」を分析することができます。
チャートを構成しているのが「ローソク足」であり、日足、週足、月足や、1時間足、5分足などがあります。
まずは、ローソク足の仕組みから理解しましょう。
ローソク足の仕組み
ローソク足は、1本で「始値」「終値」「安値」「高値」の4つの株価を示します。
始値よりも終値が高いのが「陽線」、始値より終値が低いのが「陰線」です。


一般的に陽線を白塗り、陰線を黒塗りで表示しますが、チャートソフトによって青・赤などの色も使われます。
株価チャートの状態は3つ
株価チャートを分析すると、相場の状態は以下3つの状態に分類されます。
上昇トレンド | 下降トレンド | 横ばい | |
---|---|---|---|
相場環境 | ![]() |
![]() |
![]() |
取引 | 買い | 様子見、または売り決済 | 様子見・何もしない |
そして、それぞれの相場状態で投資家がするべき選択肢は明確であり、上昇トレンドは「買い」、下降トレンドは「様子見(または売り決済)」、横ばいは「様子見」です。
この動作を徹底するだけでも、株式投資の勝率を上げる事ができます。
特に、下降トレンドの時はまだまだ株価が下がるリスクが高く、買いは見送るべきです。
株価が上昇トレンドに転じてから買いを入れることで、リスクを抑えて利益を上げることができます。
テクニカル分析の種類
チャートを分析するテクニカル分析には、トレンドを把握・予想する「トレンド系」と、相場の過熱感を把握する「オシレーター系」の2つのカテゴリーがあります。
- トレンド系:トレンドを把握
- 予想するオシレーター系:相場の過熱感を把握する
トレンド系のテクニカル分析
テクニカル分析でメインとなるのがトレンド系です。
現在のトレンド状態がどういう状態かを示し、いつ売買すればいいのかを示してくれます。
トレンド系の指標も色々ありますが、最もよく使われる有名な指標は以下の4つです。
トレンド系の指標
- 移動平均線
- 一目均衡表
- トレンドライン
- ボリンジャーバンド
移動平均線
移動平均線とは過去一定期間のローソク足の終値を平均して価格を結んだ線のことです。
例えば、5日移動平均線であれば、「過去5日間の終値を足して5で割った価格」を結んでいきます。
移動平均線の使い方は非常にシンプルで、期間の異なる2種類の移動平均線を表示させます。そして、短期移動平均線が長期移動平均線を「下から上へクロスしたら買い(ゴールデンクロス)」「上から下へクロスしたら売り(デッドクロス)」です。
下のチャートは日経平均株価の日足チャートで、期間が5と10の移動平均線を表示させていますが、ゴールデンクロスとデッドクロスが売買シグナルとして機能しているのが分かりますね。
一目均衡表
一目均衡表は日本人の記者(細田悟一氏)が開発したテクニカル指標で、その名の通り、一目見れば相場の状態や今後の方向性を予想できるものです。
一目均衡表は以下の5つの線から構成されています。
一目均衡表の要素
- 基準線:過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線
- 転換線:過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線
- 遅行スパン:当日の終値を26日前に記した線
- 先行スパン1:基準線と転換線の中心を、26日先に先行させた線
- 先行スパン2:過去52日間の最高値と最安値の中心を、26日先に先行させた線>
- ※先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を「雲」です。
売買シグナルもシンプルで、以下3つの条件が全て揃った時が「三役好転」と言い、買いのシグナルとなります。
三役好転の買いサイン
- 転換線が基準線を上抜けたとき(①)
- 遅行スパンがローソク足を上抜けたとき(②)
- ローソク足が雲を上抜けたとき(③)
ちなみに、①、②、③が全て反対の向きに動いた時は「三役逆転」と言い売りのシグナルとなります。
トレンドライン
チャート上で斜めに引いた線が「トレンドライン」です。
斜め上に引ける線が上昇トレンドライン、斜め下に引ける線が下降トレンドラインです。
一度トレンドラインが引けると、そのライン上で反発する可能性があるので、2点目以降の反転ポイントで買いまたは売りを仕掛けることができます。
トレンド系テクニカル指標の表示方法
株のチャートにテクニカル指標は簡単に表示させることができます。
今回は、人気チャートである「楽天証券」の「マーケットスピードⅡ」を使って表示させてみましょう。
なお、チャートは楽天証券で口座開設(無料)をすれば、誰でも使用することができますよ。
まず、マーケットスピードⅡを起動させて、チャートを表示させたら、「テクニカル」のタブをクリックしましょう。
すると、テクニカル指標の画面が表示されるので、「トレンド系」のタブを選択し、使用するテクニカル指標にチェックを入れれば表示されます。
とっても簡単ですね。
また、チャートにラインを引く際には、以下のボタンをクリックし、各種ラインを選択してチャート上でクリックすれば表示されます。

今回は、初期状態画面で解説しましたが、背景色やチャートの色は自由に変更出来ますよ。
オシレーター系のテクニカル分析
オシレーター系のテクニカル分析は相場の過熱感を示し、買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する際に使用します。
オシレーター系の指標は、ローソク足チャートの下側の部分に表示されます。
代表的なものに、以下の種類があります。
オシレーター系の指標
- RSI
- MACD(マックディー)
RSI
RSIは相対力指数とも呼ばれ、0~100%の間で買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標です。
一般的に70%以上で買われ過ぎ、30%以下で売られ過ぎの状態を示します。
RSIの見方
- 70%以上で買われ過ぎ
- 30%以下で売られ過ぎ
しかし、相場のトレンドが強い時は、例えばRSIが30%以下になった時でも、そこから更に株価が下がるケースもあるので注意が必要です。
よって、単に70%以上は売り、30%以下は買いと判断するのではなく、トレンド系指標のサブ指標として使用していくのがおすすめです。
MACD(マックディー)
MACDは移動平均線を発展させたオシレーター系の指標で、「MACD」「シグナル線」「ヒストグラム」の3つの要素から構成されています。
それぞれの意味は次の通りです。
MACDの要素
- MACD:期間12と26の移動平均線(EMA)の差
- シグナル線:MACDの期間9の移動平均線
- ヒストグラム:MACDとシグナル線の差
MACDを使った売買ポイントは主に2つです。
MACDの売買ポイント
- ① MACDがシグナル線を下から上へクロスしたら買い(上から下なら売り)
- ② MACDがマイナスからゼロになったら買い(プラスからゼロなら売り)
オシレーター系指標の表示方法
今回も「楽天証券」のマーケットスピードⅡを使って表示させてみましょう。
マーケットスピードⅡを起動させて、チャートを表示させたら、「テクニカル」のタブをクリックしましょう。
すると、テクニカル指標の画面が表示されるので、「オシレーター系」のタブを選択し、使用するテクニカル指標にチェックを入れれば表示されます。
なお、チャートは楽天証券で口座開設(無料)をすれば、誰でも使用することができますよ。
まとめ
テクニカル分析でチャートを読むことは、株式投資では必要不可欠なものと言えます。
是非、今回の記事で学んだテクニカル分析を使いこなし、勝率を上げていきましょう。
株式投資を更に学びたい方は、以下の記事シリーズをご覧ください。







