こんな疑問を解決!
- そもそも「株」とはどんな仕組みなの?
- どんなメリット・デメリットがあるの?
- どこで買うことが出来るの?
「株式投資には興味あるけど、なんだかよく分からない・・・」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、元銀行員のプロが株初心者のために株の仕組みや、メリット・デメリット、始め方について解説をしていきます。
この記事をじっくり読めば、あなたもすぐに株を始められますよ!

鈴木 拓也
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
- 東京工業大学大学院修士課程修了(工学修士)
- 株式会社三井住友銀行に就職(2012年)、新宿西口法人営業部を経て、本店・市場営業部門に異動。為替ディーラー業務を担当し、香港支店に2年半勤務
- 株式会社フィンテラス代表取締役(2018年~)
Contents
株とは?仕組みを初心者向けに解説
株の仕組みを動画(約24分)で解説していますので、ご覧ください。

動画が見れない方も、下の文章でしっかり解説していきますよ!
株とは一言で説明すると、「企業が事業に必要な資金を集めるために発行する証書」のことです。
ただ、初心者の方はこれだけ聞いても意味不明だと思いますので、背景から説明しましょう。
まず、企業は事業を拡大するために、新たな人材を獲得したり、設備を増やしたり、オフィスを拡大したりしますが、その際には「資金」が必要です。
ここで、代表的な資金調達の方法は銀行からお金を借りる(融資)ことです。
皆さんも、家を建てる時に銀行からローンを借りている方もいますよね?
ただ、銀行もタダでお金を貸してくれる訳ではありません。
お金を企業に貸す代わりに、企業は金利に応じた利息を支払う必要があります。
また、借りたお金も返済期限が儲けられており、いつかは全て返済しないといけません。
企業からしたら、毎月追加で利息を支払い、期限がある銀行融資は、デメリットも多いです。
そこで、利息支払いの必要が無く、返済期限もない資金集めの方法として登場するのが「株式発行」です。
企業が株を発行し、投資家がその株を買うことで、企業は資金を投資家から集めることが出来ます。
利息も返済期限もない調達方法ですが、株を買った株主は企業オーナーの一部になるので、たくさん株を保有する大株主の発言に、会社の経営が左右されるデメリットもあります。
株式投資の3つのメリット
投資家が株を買うことによって得られるメリットは以下の3つです。
株式投資のメリット
- 売買益が発生
- 配当金を受け取れる
- 株主優待をゲットできる
4つ目に、経営に参画できる点もありますが、大口投資家以外はあまり関係ないので、この3つをまずは理解しましょう。
メリット1:売買益が発生
株は証券会社を通して自由に売買できますが(※後述)、安い値段で買って高い値段で売ることで、その差額が儲けになります。
例えば、1株200円のA社の株を100株(20,000円)購入し、1株400円になったところで売れば、差額の2万円が利益となります。
株価とは?
では、どんな理由で株価は上昇したり下落したりするのでしょうか?
株価が変動する理由は、需要と供給のバランスが変化するためです。
大前提として、一つの企業が発行できる株の絶対量は企業ごとに決まっていますので、欲しい人がいても商品数が少なくなれば、その商品は取り合いになります。
ですので、買いたい人が売りたい人よりも多ければ株価は上昇しますし、逆に買いたい人より売りたい人の方が多ければ株価は下落します。
更に具体的な理由を挙げると、株価上昇と株価下落の理由は以下の通りです。
買いたい人が増える要因(株価上昇)
- 業績の改善
- 新製品の発売
- 特許の取得、など
売りたい人が増える要因(株価下落)
- 業績の悪化
- 不祥事
- 製品の欠陥、など

ちなみに、一番最初に会社が上場して売り出される時の株価は、その企業の資産価値や売上規模に応じて証券取引所が決めるよ。
メリット2:配当金を受け取れる
二つ目のメリットは、投資家は会社が得た利益の一部を「配当金」として受け取れる点です。
配当金を配るかどうかは会社が自由に決められますので、たくさん利益を出しているのに配当金が無い会社もあります。
また、業績や将来の見通しにより配当の金額、時期、回数など毎回変動します。
配当利回り
配当金について更に理解を深めましょう。
今、配当金を配るA社(株価500円、1株あたり配当金35円)とB社(株価300円、1株あたり配当金25円)を比べるとどっちがお得でしょうか?
配当金の配布回数は年1回または2回が主流ですが、お得さを比べる指標に年間配当金と株価で計算される「配当利回り」があり、これを見るとB社の方がお買い得になります。
株価 | 1株あたりの配当金 | 配当利回り | |
---|---|---|---|
A社 | 500円 | 35円 | 7.0% |
B社 | 300円 | 25円 | 8.3% |
配当利回りは以下の式で計算されます。

配当利回り=1株あたりの配当金(年間)÷現在の株価

配当金はもらえるに越した事はありませんので、配当利回りというのは株の選択において重要な判断材料ですね。
高配当で有名な銘柄と、配当利回りは以下の通りです。
企業 | 配当利回り |
---|---|
日産自動車 | 15.75% |
JT(日本たばこ産業) | 7.80% |
ミクシィ | 7.13% |
キャノン | 6.99% |
三井住友FG | 6.40% |
※数値は2020年4月10日時点
メリット3:株主優待をゲットできる
3つ目のメリットは株主優待として、会社の製品やサービスを株主はタダで受けられる点です。
株主優待の種類は様々ですが、人気の優待には「QUOカード」「買い物券」「自社製品詰め合わせ」などがあります。
株式投資の2つのデメリット
株式投資にもメリットだけではなく、当然デメリットやリスクもあります。
株式投資のデメリット
- 価格変動で元本割れのリスク
- 倒産リスクで株価ゼロも
それぞれ詳しく説明していきます。
デメリット1:価格変動で元本割れのリスク
一つ目のデメリットは、購入した株式が値下がりすることによって損が発生することです。
株価は必ずしも上昇するとは限らず、売りたい人が多ければ下落することもあります。
例えば、1株400円のB社株を100株(40,000円)買った後、1株200円に値下がりしてしまったら、そこで売却すると2万円の損が確定します。
デメリット2:倒産リスクで株価ゼロも
それでは、株価が下がったとしても、また上昇する事を願って、ずっと売らずに株を持っていればいいのでは?と思った方もいるでしょう。
もちろん、将来的に株価が元の水準に戻れば損をせずに済みますが、業績が悪く赤字続きの会社の場合、最終的には倒産してしまうリスクもあります。
そうなると、株価の価値はゼロになり、今後上昇する事も決してありませんので、投資した全額を失うことになります。
株価を予想する2つの方法
将来の株価を予想するには、過去の株価推移(チャート)で将来の値動きを予想するテクニカル分析と、企業の財務状況、経営状況、経済環境などから将来の株価を予想するファンダメンタルズ分析の2つがあります。
これらの言葉を聞くと難しく感じますが、要は「身近なところで何が流行りそうか?」を予想することが株で稼ぐ秘訣です。
例えば、ユニクロを展開するファーストリテイリングは、過去20年で株価が133倍以上になりました。
一昔前は、ユニクロの店舗をそこまで見かけなかったと思いますが、どんどん店舗を拡大し、今や冬に着る「ヒートテック」は多くの方が愛用しているのではないでしょうか。
株価 | 保有株数 | 保有資産 |
493円 | 1,000株 | 495,000円 |
▼ 株価変動(20年) ▼ | ||
65,870円 | 1,000株 | 65,870,000円 |
運用利益 | 65,375,000円 |
また、IT企業を代表するヤフーを運営するZホールディングスの株価も44倍に拡大しています。
インターネットが普及し、パソコンやスマホを使う人が増えて関連する企業の株価が大きく上昇しているのが分かりますね。
株価 | 保有株数 | 保有資産 |
10.3円 | 1,000株 | 10,300円 |
▼ 株価変動(20年) ▼ | ||
459円 | 1,000株 | 45,9000円 |
運用利益 | 448,700円 |

え!?何もしてないのに50万円が20年間で、6,500万円になるの!?50万円なんて、銀行に置いてても100円にしかならないのに!?

これはシュミレーションではなく、実際に起こりうる事象になります。資産の増加は倍どころの話ではありませんね。ですので、いかに銘柄を選考できる力があるかが非常に重要です。さらに株価に上限というものはありませんので、これ以上のリターンを得る事も全然可能になります。
株式投資を始める前に!
実際に株式投資の始める前に知っておくべき知識がありますので、ご紹介致します。大事な事ですので、初心者の方はきっちり理解しておきましょう。
株式投資に必要な大前提の知識
- ステップ1:株式投資の売買の仕組みを理解する
- ステップ2:証券会社の種類を理解する
- ステップ3:手数料と取引数
ステップ1:株式売買の仕組みを理解する
株は証券会社を通して証券取引所で売買されます。
投資家は取引手数料を証券会社に支払うことで、証券会社が代わりに証券取引所で売買をしてくれるのです。
証券取引所で株式売買できる企業を、上場企業と言います。
上場企業になる為には、以下の主な証券取引所(東証1部など)の1カ所にて、それぞれに応じた厳しい条件(資本金や売上規模など)をクリアしなければなりません。
主な証券取引所(2020年3月時点)
- 東証1部:2,154社
- 東証2部:487社
- マザーズ:302社
- JASDAQスタンダード:673社
各取引所はカテゴリー分けされているといったイメージで、東証2部より東証1部の方が、より資産価値のある企業だったりします。
しかし、資産価値があるからといって、そこに投資すれば必ず損しないみたいな事ではありませんので、しっかりと吟味する必要があります。

企業を上場すると、信用度も上がり資金を一気にたくさん集められるようになりますが、投資家に株を保有されすぎてしまうと経営権を失う可能性がありますので、メリットだけではありません。
ステップ2:証券会社の種類を理解する
証券会社には、営業担当がついて相談も可能な「対面型証券会社」と、ネットを使った自分で売買をする「ネット証券会社」の2種類があります。
対面型証券は手数料が高いことがデメリットですが、営業担当者に色々と相談できる点がメリットです。
一方、ネット証券は手数料が安いことがメリットですが、ネットを使って全て自分で取引を完結させないといけません。
一長一短がありますが、パソコンやスマホに不自由しない方は、手数料が安いネット証券がおすすめです。
対面型証券 (営業担当がつき相談可能) |
ネット証券 (ネットで自分で売買) |
|
---|---|---|
有名証券会社 | 野村証券、大和証券、SMBC日興証券など | SBI証券、楽天証券など |
情報提供 | プロから対面で情報を受けられる | 自分で情報収集をする必要がある |
手数料 | 高い | 安い |

対面の場合は人とお話ができる安心感はありますが、現在の主流で考えると、圧倒的にネット証券を利用する方が多いかと思います。何よりも手数料の高さがかなりネックになりますね。
ステップ3:手数料と取引数
株の売買取引をする際は、その都度手数料が発生します。
この手数料は運用利益から相殺される形になりますので、手数料は安いに越した事はありません。
特にスキャルピングという、数分~数時間で取引を繰り返していく手法では、手数料がどんどん蓄積されていきます。
手数料は各証券会社によって異なり、例えば上限金額の中でなら手数料定額など様々な設定があります。
また、一回の株購入には、「何株単位での購入」というのが証券会社毎に決められています。
一般的には「100株単位」「1,000株単位」というものが多いですが、証券会社によってはこの限りではありません。
上記を踏まえながら、証券会社を選ぶ際は十分に吟味するようにしましょう。

ちなみにですが、株取引の手数料はFXに比べるとかなり高めになります。
ステップ4:株取引には口座が必要です
株取引を始めるには、「専用の口座」を証券会社で開設する必要があります。
もちろん、口座開設は誰でも無料ででき、手数料や維持費などは一切かかりません。

結局、どの証券会社が一番おすすめなの?

これから株を始める右も左も分からない初心者の方におすすめの証券会社は、まずは手数料の事がネックになりますので、ネット系証券会社がおすすめと言えるでしょう!それでは詳しく紹介していきますね。

ネットで検索すると様々な証券会社の比較があり混乱すると思いますが、初心者が最初に意識すべきは「稼ぐ」より「慣れる」です。知識があまりない初心者が簡単に勝てるほど、相場の世界は甘くありません。まずは、稼ぐ事に執着せずに、株式投資はどんなものなのか慣れることを意識していきましょう。
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