こんな疑問を解決!
- 株式投資で資金管理はどうやればいいの?
- リスクを抑えて資産を増やす方法は?
- 大負けを防ぐ方法は?
株式投資で資産を増やしている投資家は、例外なく資金管理を徹底して行っています。
逆に、資金管理がおろそかだと資産を大きく減らすリスクも上がります。
今回の記事では、メガバンク出身の現役投資家が、株式投資の資金管理を初心者向けに分かりやすく解説していきます。
非常に大切な事項なので、しっかりと理解しましょう。

鈴木 拓也
- 公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト
- 東京工業大学大学院修士課程修了(工学修士)
- 株式会社三井住友銀行に就職(2012年)、新宿西口法人営業部を経て、本店・市場営業部門に異動。為替ディーラー業務を担当し、香港支店に2年半勤務
- 株式会社フィンテラス代表取締役(2018年~)
Contents
株式投資の資金管理で大切な3つの事
投資の資金管理と一言でいっても、様々なことがあります。
株式投資をする上で覚えておくべき資金管理のポイントは以下の3つがあります。
資金管理で心掛ける事
- 全資産から投資可能資金を決める
- 投資可能資金を分割して投じる
- 銘柄の分散を心掛ける
1つ目:全資産から投資可能資金額を決める
投資をする際には、最初に自分が全資産の中から「いくら」株式投資へ回せるのかを決めます。
投資可能資金額は、資産の規模や、本業の収入、年齢などによっても変わってきますので、一概に「何%」といった基準は設けられません。
例えば、全資産が1,000万円あり、20代で本業が安定している公務員の人であれば、8割の800万円を投資に回すこともできます。
一方、全資産が1,000万円で、妻・子供が3人いる40代の家庭であれば、5割程度の500万円が丁度いい金額かもしれません。
投資可能資金を決める上で大事なポイントは、「仮にその資金が無くなっても生活に支障が無い」ということです。
もちろん、リスク管理をすれば全部失うことはそう起こり得ませんが、投資をしていく中で急に資金が必要になり投資資金を取り崩して生活に回す、なんてことがあれば投資戦略に悪影響を与えてしまいます。
2つ目:投資可能資金額を分割して投じる
投資可能資金額が決まったら、いきなり全てを投じるのではなく、分割して購入していくのが良いです。
例えば、投資可能資金が1,000万円の人が、投資したい銘柄が見つかったからと1,000万円を一気に全て投資してしまうと、万が一相場環境が悪く下げ相場になった場合にパフォーマンスがかなり悪くなります。
一方、万が一相場が下がった場合に備えて、追加で購入できるように現金を有していれば、平均購入価格を引き下げることもできます。
稼いでいる人ほど、「万が一の場合に備えて現金を確保」を徹底しています。
そして、相場環境が上昇トレンドで強気の時は、現金比率を下げ8割、9割を投じ、逆に相場環境が横ばいか下降トレンドで弱気の時は、現金比率を上げてリスクを抑えているのです。
3つ目:銘柄の分散を心掛ける
最後は、投資する銘柄を1つに集中させるのではなく、いくつかの銘柄に分散を心掛けることです。
1つの銘柄だけに投資をするのは「ハイリスクハイリターン」です。
例えば、投資資金1,000万円の人が、自分が信じた1社のみに集中投資した場合、その銘柄が20%、30%と上昇すれば大きな利益が得られます。
一方、もしその銘柄が20%、30%・・・と下げ続けてしまうと、投資資金が一気に減ってしまいます。
なので、最低でも3~5銘柄ぐらいに分散する方がいいでしょう。
損切りをした方がいいのかどうか
投資をする際には、「いつ」その株を売却するのかを事前に想定しておく必要があります。
ここでよく問題になるのが、「損切りはするべきかどうか」です。
結論から言うと、損切りすべきかどうかはその人の「投資期間」と「投資目的」によります。
損切りをした方がいい場合
投資可能金額を全て投入していたり、最初から短期投資のつもりで投資したりしていたら、損切りはするべきと言えます。
例えば、投資可能金額が1,000万円で、デイトレード・スイングトレードなどの短期間で売買を行う戦略を取っていたら、損切りをしないと更に資産が目減りするリスクがあります。
たまたま1回は株価が元に戻ってしのげても、次は株価が半分以下まで下がり、何年経っても元に戻らないかもしれません。
そうなると資金はその間ロックされ、稼げるチャンスを逃してしまいます。
損切りをした方がいいケース
- 投資可能資金額を全て投入
- 短期投資
損切りをしない方がいい場合
最初から長期で株を保有するのが目的であれば、損切りをしない方がいい場合も有ります。
銘柄にもよりますが、業績が安定しており、たまたま全体の相場環境が悪く下がった値下がりしただけの株であれば、ずっと保有し続けることでまた元の水準に戻る可能性もあります。
例えば、業績が安定している割安株なんかはその典型的な例です。
また、投資資金の余力を持たせておけば、仮に株価が下がって含み損を抱えても、買い増しをすることで平均購入価格を有利に引き下げることができます。
損切りをしない方がいいケース
- 投資可能金額に余力がある
- 中長期投資
ナンピンについて
ナンピンとは、保有している銘柄の株価が下がった時に、更に追加で買い増しをして平均購入価格を引き下げる戦略のことです。
株価がその後上昇に転じれば、より大きな利益を得ることができます。
ただし、ナンピンについては絶対に守るべきルールがあります。
それは、投資可能資金額の中から買い増しをするということです。例えば、投資可能資金額以外の貯金や生活費を削ってナンピンに回してはいけません。
ナンピンと言えど、必ず株価がその後に上昇して利益がでる保証はありません。
投資額が増えれば増えるほど、株価が下がった時の含み損も大きくなります。
そんなリスクが高いナンピンを、投資可能資金額以外のお金を使って行うと、日々の生活にも支障をきたし、最悪の場合は相場の世界から退場を余儀なくされる恐れがあります。
まとめ
株式投資では、値上がりする銘柄を選びファンダメンタルズ分析やテクニカル分析のスキルも重要ですが、それと同じくらい大切なのが資金管理です。
資金管理を怠ると、それだけで株式投資で資産を減らしてしまうリスクが高くなります。
株式投資の資金管理では、以下の3つに注意をするようにしましょう。
全資産から投資可能資金を決める投資可能資金を分割して投じる銘柄の分散を心掛ける
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